霧のミラノ ・ワンダーランド。

聞いてはいたものの。
なんですか、あの終わりは!
ちょっとちょっと、ちょっとー!と
柴田先生に迫りたい気分ですよ。
途中までは、ひなげしの歌ばかり耳についていた。
しかし、独立戦争?後に帰還した兵に向かって放たれた
「お前たちなんか帰ってこなくてよかったんだ」
の台詞に怒り心頭です。
彼らは別に傷ついたロレンツォを見捨てて還ってきたとか言うわけじゃないんですよ?
戦って、勝利して、自らも傷つきながら帰ってきたんです。
そんな人たちになぜあんな事が言えるんでしょう?
しかもその時ロレンツォは…。
ただ単に戦争が終わった途端、恋人のところへすっ飛んでった、わけで。
で、いきなり後ろから撃つカールハインツ。
彼、ウィーンに帰ったんじゃなかったんですか?
ずっとミラノに?
そして3人が3人とも自己の内的世界だけで終結してる…。
なんて後味の悪い作品。
一つ一つのシーンは美しかったりするのに。
特に印象に残っているのが
カールハインツが退役するシーン。
ロレンツォを見逃してやった後、一人執務室で迎えるその時。
部下に見送られたりせず、一人で去って行くのがいい。
ああでも、乾杯はもっともっと格好よくやって欲しいなあ。
そして、制服の上着を脱いでハンガーにかけるのを見ながら、つい
「ズボンも脱ぐのかしら…」
とか思っちゃったじゃない。
ジャンBはいかにもあとから作りました、な役で。
別に彼女を作らなくてもよかったんでは?
やっぱりエンマはロレンツォの昔の恋人、の方が
面白い展開になったんではないかしら。
とにかく、散漫でメリハリのないお話。
材料はそろってるように見えるのになあ。


ワンダーランド。
どこが?
せっかくタイトルに使ってるんだから、
もっとアリスをモチーフにしたシーンを創ればよかったのに。
せっかくトランプ柄の衣裳なのだから
「首をお刎ね」
をやるとか。
三月ウサギ、ハンプティダンプティ、帽子屋、花たち、クッキー、蛇etc.
魅力的なキャラクタもたくさんいて楽しそうなのに。
もったいない。