心晴れぬまま。

火曜日に見たエリックは大人だった。
なんだか1歩離れて自分の人生を見つめているような。
悪く見ると2回公演の一回目だから、力抜いてたとか。
彩音ちゃんの歌も逆戻りっつーか…ひどかった。
今までは観る度に少しだけど上達してたのでこれにはマイッタ。
なんだか“のらない”舞台だったなぁ。残念。



何度観ても、カルロッタを殺してしまうのがこのエリックに似合わない。
ジョセフ・ブケーを殺してないことでこれまでの怪人伝説が
すべて作り上げられたものだという風に考えられる。
エリックは何もしていないのだけど、すべての悪しき事がファントムのせいにされ、
伝説を生み、怖れを生み、憎しみを生んできた。
エリックはそれさえ知らず、自分はただ時々表に出ていたずらしてるだけだと思ってる。


花組PHANTOMではクリスティーヌを思い、
激情に駆られてカルロッタを殺しそうなのは寧ろフィリップ。
フィリップが殺したのにもかかわらず、
周囲が勝手に「ファントムの仕業!」と騒ぎたて、
言い出す機会もないまま「仮面の悪魔」にさらわれたクリスを救い出すことに走り出すフィリップ。
濡れ衣を着せられても、クリスの幸せを考えて甘んじて罪を引き受け、
死を選ぶエリック。
そのほうがずっと合ってる気がする。