悲しくはないけれど。

トップになったその時から、退団へのカウントダウンが始まったのだと覚悟していたし、「その日」に向けてなるべく悔いの残らないように自分の出来る限りで見つめてきた。
野風の頃に5年と聞いていたから今年なんだな、とも思っていた。
後半のラインナップが出て「アデュー・マルセイユ」のタイトルに唖然としつつ、
さらに覚悟を決めることも出来た。
それでも発表の日には泣くだろうか、と思っていたが、涙はなく。
むしろ遅すぎる発表にようやくホッとできた、そんな気持ちだった。
自分でも不思議なくらい穏やかな気持ち。
ただ、退団記者会見は辛かった。
言えない事を隠しながら何とか正直に答えようとする寿美礼ちゃんが痛々しくて。
ほんとに正直な人だから辛いだろうなあ、と。
理事長の「93年の歴史の中でも云々」のコメントにも驚いたけど。
奇妙な雰囲気の会見。
発表が遅かったのは、正反対の立場にある劇団と本人の利害(と言うと語弊があるが…)が一致したからなのね。
トートかぁ〜。



ホッとした気持ちには「炎に口づけを」以降のタカちゃんの衝撃を味わいたくないと言う思いと、「パレルモ」千秋楽の挨拶での様子と「PHANTOM」で「これからも頑張ります」の挨拶を聞いた時の「もう頑張らなくていい。自由になって」の思いがある。
どれだけ頑張らなくちゃいけないんだ、この人は。
そう思ったら泣けてきて。


…。
しがらみはもう忘れて、最後の日まで幸せに過してくれますように。